その他

よくある質問

手術は必ず全身麻酔ですか?

手術の時に欠かせない「麻酔」は、現在では麻酔科医が専門的に扱いますが、その昔は外科医が自ら麻酔を手掛けていました。
全身麻酔の場合、麻酔科医は麻酔だけではなく手術中の血圧管理や輸液管理など患者さんの全身管理を担当します。麻酔には全身麻酔の他に、局所麻酔や脊椎麻酔、硬膜外麻酔、ブロック麻酔など様々です。全身麻酔が必ずしも身体の負担が少ないわけではありませんので手術内容により適切な麻酔方法を選択します。

内視鏡と腹腔鏡(ふくくうきょう)とは何ですか?

よく「カメラを使った手術」という言葉を耳にします。「内視鏡」は胃カメラや大腸カメラを指し、外科手術で主に使うのが腹腔鏡です。
当科では腹腔鏡を用いた手術を胃切除術や大腸切除術、胆嚢摘出術、肝切除術、虫垂切除術などで導入しています。傷も小さく、術後の回復が早いなどメリットも大きいですが、外科医はモニター画面を見ながら手術することになり高度な技術が要求されます。ですので腹腔鏡手術で開始しても安全を優先するために術中にやむを得ず従来法に変更する場合もあります。

化学療法とは何ですか?

いわゆる「抗癌剤」治療を指します。
現在はEBMに基づいた薬剤選択を行います。癌の種類や組織型により様々な薬剤を組み合わせて行う多剤併用療法が主流です。投与方法も内服もしくは点滴、さらに入院して行う場合や外来通院しながら投与を受ける場合もあります。外来通院で行う場合は当センター2階にある外来化学療法センターで投薬を受けていただきます。

※EBMとは、Evidenced Based Medicineの略で「根拠に基づいた医療」という意味です。その「根拠」となるのはこれまでに研究から得られた情報です。信頼できる根拠を把握したうえで、患者さんの状況を鑑みて治療を進めます。

ヘルニア

ヘルニアとは

ヘルニア=脱腸と認識されることが多いですが、厳密には異なります。
必ずしも「腸」が出ているわけではなく、脂肪の塊などが出ている場合もあります。ヘルニアと診断されても直ちに手術が必要であるわけではありませんが、嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態になると腸が壊死してしまい緊急手術が必要になる場合があります。

消化器外科で扱う代表的なヘルニアは以下のものがあります。

鼠径(そけい)ヘルニア
足の付け根(鼠径)が膨らみ、時に痛みや便秘などを引き起こします。徐々に大きくなり、原則自然に小さくなることはありません。喫煙男性に多く、泌尿器科を初めに受診される方も多いのが特徴です。腹膜透析を行っている方は、透析液によって慢性的に腹圧がかかることが多く、鼠径ヘルニアの発症には十分な注意が必要です。
腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニア
外科手術後に創部感染や腹圧上昇などが原因で徐々に創部の強度が低下し、そこから腹部が膨らんできてしまう状態を言います。このヘルニアは嵌頓が生じにくいので鼠径ヘルニアほどは緊急手術になる機会は少ないですが、一度発症すると自然治癒は難しく外科的治療の対象になります。鼠径ヘルニア同様に現在ではメッシュシートを利用した修復が主流となっております。
その他のヘルニア
その他に臍ヘルニア、白線ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニアなど様々なヘルニアがあります。いずれも「どこから」ヘルニアが出るかによって呼び名が変わりますが、外科治療が有効であることが多いです。

ヘルニアの治療

当科で最も頻度の多い鼠径ヘルニアを例にしますと、入院期間は4~5日程度です。日帰りや1泊程度の入院で治療を行う施設も多いですが、当科では全身麻酔で手術を行い、術後に十分な観察期間を設けております。

ヘルニアは自然に治りますか?

残念ながら自然に治ることはありません。ただし、ヘルニア自体は悪性疾患ではありませんので無症状なら様子を見ることも可能です。

虫垂炎

虫垂炎とは?

虫垂は右の下腹部に位置し、大腸の最奥部と連続している管状の器官です。
草食動物で発達していますが、ヒトでは直径5~10mm程度、長さ5~10cmほどの大きさです。
構造上盲端になっていますので、炎症が起きやすく、時に糞石(ふんせき)が内腔に形成されることもあります。

虫垂炎の治療

軽症の場合は抗生剤のみで治癒する可能性も高いですが(いわゆる「ちらす」)、重症化すると虫垂に穴が開き、腹膜炎へと波及します。ですので手術は常に考慮されなければなりません。従来通り開腹して虫垂を取る方法と、近年では腹腔鏡を用いて虫垂を切除する方法があります。最近では特に整容性に優れた単孔式腹腔鏡下虫垂切除術も施行しています。

「虫垂」と「盲腸」の違いは?

「盲腸になった」と表現されるように、一般には虫垂と盲腸が混同されていることが多いです。解剖学的には全く別物です。肛門から遡って大腸の最奥部が「盲腸」と呼ばれ、そこに「虫垂」がぶら下がっている形になります。

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