大腸
大腸は盲腸から肛門まで続く全長1.5メートルの消化管の総称です。上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に区分され、直腸、肛門に続きます。小腸で栄養分の吸収が行われ後の内容物が大腸に送り込まれます。胃同様に大腸の壁は5層(一部4層)から構成されていて内側から粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜と呼ばれています。
腹腔鏡手術についてはこちら
大腸癌(結腸癌・直腸癌)について
大腸癌とは?
大腸粘膜から発生する悪性腫瘍で、発生部位により結腸癌と直腸癌に分類されます。近年、その死亡率・罹患率は、わが国において増加しています。2014年の統計では、女性の全悪性新生物による死亡は最多で、男性では第3位となり、この50年間で約10倍となり、食生活の欧米化などが原因でないかといわれています。
治療方法について
治療の原則は手術ですが、病期の進行度や部位により内視鏡による切除術、腹腔鏡手術、開腹手術が選択されます。切除不可能な場合は、化学療法や放射線療法が行われます。近年、化学療法の進歩により、切除不可能であった大腸癌が、化学療法の効果で切除可能となった報告もされています。(conversion therapyといいます。)
化学療法には、注射薬、内服薬があり、これらを組み合わせることで、生活スタイルに沿った治療ができます。又、化学療法を行う前に遺伝子検査を行い、副作用が出やすいかどうか、効果があるのかどうかを調べて患者さんにあった治療を選択しています。
大腸切除術
悪性腫瘍に対する大腸切除術では根治度を上げるためにリンパ節郭清も併せて行います。術式には大腸の約半分を切除する「右半結腸切除」や「左半結腸切除」、「S状結腸切除」などがあります。病変切除後に大腸どうしをつなぎ合わせますが、解剖学的に血流不良が起きやすいため、血管の走行を良く確認しながら手術を進めます。万が一、繋ぎ目に不具合が生じた場合は便が漏れ出すことになります。手術中の判断でより上流に人工肛門を作り便の漏出を未然に防ぐ場合もあります。
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