上部消化管

食道

食道の機能と役割

食道とは、のど(咽頭)と胃の間を繋ぐ約25cmの管状の器官です。口から入った食べ物を通過させて胃に運ぶ働きをします。消化・吸収には、関係がありませんが、飲み込んだ食べ物を蠕動(ぜんどう)運動によって、少しずつ胃に送り込みます。食道には胃に運ばれた食べ物が逆流しないようにする働きもあります。

食道の疾患について

食道の主な疾患は食道癌、逆流性食道炎、食道アカラシア、食道憩室症などが挙げられます。当科では食道癌に対して内視鏡治療、外科的切除、抗癌剤治療、放射線治療などを組み合わせた集学的治療を行っています。

胸腔鏡手術についてはこちら

食道癌について

特長・症状

食道癌は喫煙や飲酒が危険因子として知られています。他の消化管と違い漿膜(一番外側の膜)を有していないことから、周辺臓器へ進展しやすいと言われています。初期症状に特有なものはありませんが、食べ物が通りにくい、食事の時の胸の痛みなど様々です。検査は上部消化管内視鏡(胃カメラ)やバリウム等のレントゲン透視検査が有効です。

治療方針

食道癌に対する標準的治療は手術です。当科では、進行度に応じて、開胸手術・胸腔鏡手術を選択し行なっています。胸腔鏡下手術は、開胸手術と比べてカメラ、鉗子などを入れる穴が5箇所のみで最小限の傷でできるため、体への負担を軽減することが可能となります。また、在院期間の短縮も可能となります。早期食道癌(粘膜癌)に対しては、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を施行(2018年は11例)しています。切除可能な食道癌に対しては術前化学療法を施行後に原則手術(2018年は10例)を行っています。また、最近では食道胃接合部の癌も増加してきており、外科的切除(2018年は6例)を行なっております。切除不能・再発例には化学放射線療法を施行(2018年は24例)しています。食道狭窄の強い症例に対しては必要あれば胃瘻/腸瘻造設やステント挿入を行い、腸管からの栄養吸収ができるようにしています。

胃の機能と役割

胃は入口(噴門)と出口(幽門)があり、袋状の構造になっています。胃壁は5層構造になっており、内側から順に粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜になります。胃に蓄えられた内容物は、強い酸性を持つ胃液と混ざり合い、小腸で効率よく消化吸収されます。

胃の疾患について

当科では胃癌、胃GISTなどに対する外科的治療を担当しています。

腹腔鏡手術についてはこちら

胃癌

特長・症状

胃癌は粘膜を発生母地とする悪性腫瘍です。症状は様々ですが貧血症状や胃痛、胸やけなどの諸症状のほかにも、検診等で発見される場合もあります。良く耳にする「Stage(病期)」は腫瘍の深さ(深達度)やリンパ節転移の程度によってStageⅠ?Ⅳに分類されます。Stage分類とは別に腫瘍が粘膜下層までにとどまる場合を「早期胃がん」と表現し、それ以上深い場合を「進行胃がん」とします。

外科治療法

胃切除には大きく分けて胃全摘術②幽門側(ゆうもんそく)胃切除術③噴門側(ふんもんそく)胃切除術④胃局所切除術があります。腫瘍の場所や大きさ等を考慮して手術内容が決定されます。根治度を上げるためにリンパ節郭清も同時に行います。

治療方針

手術療法を2015年は83例施行しました。EMR・ESDの適応(消化器内科で施行)ではない早期胃癌症例やEMR・ESD後に追加切除が必要な症例(深達度が粘膜下層以深、脈管侵襲あり、未分化型癌など)に対しては腹腔鏡下胃切除術(2015年は22例)を行い、傷を小さくし術後の疼痛が少なく社会復帰の早い低侵襲手術を導入しています。進行癌に対しては従来通りの開腹胃切除術および2群リンパ節郭清を行っています。切除可能な8cm以上の大型3型や4型癌に対しては術前化学療法を行ってから手術を行っています。当科では胃切除術にクリニカルパスを導入しており術後の入院期間は幽門側胃切除術で10日、全摘術で11日です。また切除不能・再発症例に対しても積極的に化学療法を行い、なるべく患者さんの生活の質を落とさずに生存期間を延長できるように努めています。

外来~入院までのフローチャート

胃GIST

GISTとは?

GISTとはgastrointestinal stromal tumor(消化管間質腫瘍)の略で、胃や腸に発生する腫瘍です。消化管であればどこの臓器でも発生する可能性がありますが、胃あるいは小腸で発見されるケースが多くを占めています。胃癌が粘膜から発生するのに対し、GISTは粘膜の下にある筋肉の層から発生するという大きな違いがあります。

治療方針

切除可能であればまず手術を施行(2015年は5例)しています。5cm以下では腹腔鏡による腫瘍切除をしています。また切除不能または再発症例に対しては積極的にイマチニブimatinibやスニチニブsunitinibによる治療を行い良好な成績を得ています。

関連ページ

受診される方へ

初診の予約は行なっておりませんので外来受付時間内に、当センターへ直接お越しください。
移植をご希望の方はこちら

042‑655‑5611(代表)

移植についてのお問い合わせはお気軽にお電話ください。

代表電話番号より移植コーディネーターの 池田 千絵(いけだ ちえ)をお呼び出しください。